エーミング作業はセンサーのズレを修正する校正作業のこと
エーミング作業とは、衝突被害軽減ブレーキなどの先進安全装置を正しく作動させるための「校正作業」のことをいいます。
先進安全装置にはいくつかのセンサーが使われていますが、フロントガラス交換を行なうと、わずかですがセンサーがズレてしまいます。そのセンサーのズレを修正するのが、エーミング作業です。
先進安全システムの例を挙げると、以下のようなものがあります。
- 衝突被害軽減ブレーキ
- ふらつき注意喚起装置
- 車線逸脱警報装置
- ACC(定速走行・車間距離制御装置)
安全運転をサポートするこれらの装置を正常に動作させるには、エーミング作業が欠かせません。
エーミングの主な作業内容
エーミングの主な作業内容ですが、先進安全装置のセンサーと関連する作業に付随します。例えば、飛び石被害などが原因でフロントガラスを交換した場合、ただ交換するだけではなくエーミング作業も行ないます。
フロントガラスの場合は、衝突被害軽減ブレーキなどに使われる「カメラ」をエーミング(校正)します。エーミングせずにガラスだけ交換すると、カメラへの写り方が変わって、正常に動作しない可能性があるからです。
バンパーの補修や交換を行なった場合は、超音波センサーをエーミングします。これは、センサーの角度や高さが基準値内に収まっているかを確認するためです。
つまり、先進安全装置のセンサーに影響する補修作業を行なった場合は、エーミング作業も同時に必要になるということです。バンパーの交換や脱着の際も同じ事が言えますが、ここではフロントガラス交換・脱着に関して説明いたします。
エーミングに必要な工具
エーミングは精度を追求する作業なので、工具や作業環境の整備も重要です。ここでは、エーミングに必要な工具を説明します。
必要な主な工具
- ターゲット
- スキャンツール(外部診断機)
- 整備書(各自動車メーカー)
- レーザー墨出し器(水糸でも可)
- 巻尺・メジャー
ターゲットは、カメラに読み込ませるための標的です。メーカーや車種によってターゲットの配置やサイズに規定があるので、車に合ったものを用意します。
スキャンツールは車の車載診断機につなぐためのツールで、エーミングはこのスキャンツールから実施します。
レーザー墨出し器は、車両の中心を出したりターゲットの水平・垂直を測ったりするのに使います。水糸でも良いですがレーザー墨出し器の方が圧倒的に早く正確です。
整備書はターゲットの位置などが記載されているので、必須アイテムです。
おわりに
当店ではフロントガラス交換に伴うエーミング作業が必要になった当初よりエーミング作業に取り組んでおります。2024年以降は『自動車特定整備制度』と云う法的に認められた有資格者・認定作業場でないとエーミング作業は出来なくなります。(2024年までは猶予期間となり、それまでに資格取得+作業場の認定を受けないとエーミング作業不可となります)